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ザ・キングス・シンガース The King's Singers

The King's Singers ザ・キングス・シンガース

デーヴィッド・ハーリー (カウンターテナー)
ティモシー・ウェイン=ライト (カウンターテナー)
ポール・フェニックス (テナー)
フィリップ・ローソン (バリトン)
クリストファー・ガビタス (バリトン)
スティーヴン・コノリー (バス)

ザ・キングス・シンガースは、「40年にわたり、最新のスタイルを柔軟に取り入れつつも、彼ららしさを維持し続けた」(タイムス誌)、「聴くものの耳に、初めの一音から最後の一音まで心地よく響く」(グラモフォン誌)と評されたように、名実共にトップレベルのボーカル・アンサンブルとして、世界中で活躍。その持ち味の一つである広範なレパートリーは、ジェズアルドからリゲティ、マイケル・ブーブレまで非常に豊富でヴァラエティーに富んでいる。クラシック音楽界においては、特にアーリー・ミュージックの領域における歌唱にて国際的に高い評価を得ているのみならず、人気のポピュラー音楽も積極的に取り入れて観客を魅了しているが、その確かな歌唱力と非のうちどころない声の調和、明瞭なテクストとメリハリの利いたテンポで、いかなるレパートリーを披露しようともザ・キングス・シンガースらしさを保っている。

現在のザ・キングス・シンガースは、デーヴィッド・ハーリー(カウンターテナー、20年目)、ポール・フェニックス(テナー、13年目)、フィリップ・ローソン(バリトン、16年目)、クリストファー・ガビタス(バリトン、6年目)、スティーヴン・コノリー(バス、23年目)と、新たに加わった26才のカウンターテナー、ティモシー・ウェイン=ライトからなる。アンサンブルとして3.5オクターヴの声域(コノリーの低Cから、ハーリーの高F)を誇る。これまでザ・キングス・シンガースに所属したのは、現メンバーを含んで22人のみで、高い音楽性、歌唱力やカリスマ性のみならず、毎年9ヶ月にもおよぶツアー生活に耐えうる体力が要求されるという、極めてユニークな職業である。

ザ・キングス・シンガースは、音楽は音楽という信条のもと、1つのコンサートでルネサンス音楽のポリフォニー、マドリガルから、民謡、現代クラシック作品、ポピュラー音楽といった様々な音楽を楽しめるところが、特徴だ。どんなジャンルであろうとも、男声六声ヴァージョンにアレンジして、ものにしてしまうので、「レパートリーを学ぶのは大変だけれども、やりがいがある。この一年という短い期間に僕が学んだ曲数は想像を絶するナンバーで、しかもメンバー全員で、イントロダクションを(ツアーで回る)各国の言語で覚え、ジョークも披露してというのが、ザ・キングス・シンガースの真骨頂でもあるんだ。」と新顔(2009年1月加入)のティムは語っている。 また、メンバー全員で事務的な役割も分担し、プロジェクトも積極的に立ち上げるなど、 超過密スケジュールにおいても、地に足がついた活動を続けている。同アンサンブルは、年間120本を超えるコンサートを世界各国で開催するのに加え、レコーディング、テレビ出演、マスタークラスなどを通じて、幅広い層にわたる熱心なファンの心をつかんでいる。

2009/2010シーズンは、英国ロンドン、カドガン・ホールにおいて3日にわたるコンサートを皮切りに、マンチェスター(ブリッジウォーター・ホール)、ヨーク、オックスフォード、ザ・セージ・ゲーツヘード、ロイヤル・アルバート・ホールなどでコンサートを開催。ツアーでは、アメリカ合衆国、スペイン、オランダ、オーストリア、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ケルンWDR交響楽団ビッグ・バンドとともに、クリスマス・オラトリオの特別プロジェクトに携わり、ドイツをツアー(2009年11月)。日本、中国、台北、韓国でもコンサートが予定されている。ザ・キングス・シンガースのレコーディングは、アルバム総数が150枚を超え、数々の賞を受賞など、高い評価を受けている。近年のスタジオ録音「シンプル・ギフト」は、2009年度グラミー賞受賞。ピエ・イエズ(ジョン・ブランニング)、マイ・ハート・イズ・ア・ホーリー・プレイス(パトリシア・ヴァン・ネス、スペシャルヴァージョン)を収録のミニアルバム「フロム・ザ・ハート」が、2010年2月世界各国で発売予定。3月には世界初の録音となるパッヘルベルのヴェスペレ集を、カー・ミン・イング指揮古楽アンサンブル Charivari Agréableとの共演で発売。6月には、前作の「シンプル・ギフト」路線を継続、ジャズにインスピレーションを得た新曲、アレンジ等をザ・キングス・シンガース独特のスタイルに昇華した新アルバム「スイミング・オーバー・ロンドン」が発売される。2010年秋の全米ツアー中には、コンコルディア・カレッジ合唱団(ミネソタ)と、同アンサンブル結成40周年記念に委嘱された「ザ・ストーレン・チャイルド」(エリック・ウィテカー)、「ハイ・フライトと感謝祭」(ボブ・チルコット)などを含むアルバムを制作。

これまで、現代作曲家リチャード・ロドニー・ベネット、ルチアーノ・ベリオ、ピーター・マクスウェル=デイヴィス、ジェルジ・リゲティ、スティーブ・マートランド、ジャン=カルロ・メノッティ、クリストフ・ペンデレツキ、ネド・ロレム、ジョン・ラター、グンター・シュラー、武満徹、ジョン・タヴェナーなどに、200曲を超える合唱曲を委嘱、積極的に現代合唱曲を取り上げている。今シーズンは、イヴァン・モードリー、ガブリエラ・レーナ・フランク、ジョン・マッケイブ、ボブ・チルコットとエリック・ウィテカーの作品を初演予定。

2002年ソルトレーク・シティーにて開催の冬季オリンピックでも共演した、モルモンタバナクル合唱団とは、2007年のクリスマスコンサートにて、8000人の聴衆とともに熱唱。その様子は、PBS放送にて全米で放映されDVD発売。2008年のロイヤル・アルバート・ホールにてのBBCプロムス公演も、DVDにて発売される。

結成から40周年を記念してBBCブレックファースト・ショーにも出演ほか、BBCのSongs of Praiseにもクリスマススペシャルなどに出演。結成当時は、人気のナナ・ムスクーリ・ショー(ダドリー・ムーアなどと共演)、ロニー・コーベットによる番組、ロイヤル・バラエティー・ショーなどに定期的に出演、人気を得る。

全米では、エミー賞受賞の ABCクリスマス・スペシャルショーへ出演、ジュリー・アンドリューズ、プラシド・ドミンゴ、ジョン・デンバーなどと共演。NBCのトゥナイト・ショーやトゥディ・ショーへも頻繁に出演する。最新のDVDドキュメンタリー「バードからビートルズ」は、韓国、日本、中国などでTV放映され、またヨーロッパ各地でラジオ出演も多い。

多忙なコンサート活動の合間を縫って開催される、同アンサンブルによる数多くのワークショップや公開講座では、その親しみやすさと魅力にあふれた語り口によって沢山の聴衆を魅了。ザ・キングス・シンガースのアレンジによる楽譜は、これまで、3つの出版社より出版、その一社をとっても2万枚を超える出版数を誇り、 学校や、大学の合唱団、アマチュア・コーラスからプロのアンサンブルまで、全世界で広く親しまれている。現在アメリカ大手Hal Leonardと契約、同出版社からメンバー6人の素顔、リハーサル風景、コンサートの模様を追ったドリュメンタリースタイルの「The Art of Th King's Singers」が、「The King's Singers: A Workshop」に次いで発売されている。


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